モーツァルトのトルコ行進曲を聴き比べしてみました

2019年7月12日
オーストリア、ザルツブルク出身の
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)は、
音楽の歴史のなかで古典派といわれる時代を代表する作曲家、
ハイドン、ベートーヴェンと並び称されています。
彼の音楽の才能を見出したのは父で、
モーツァルトは幼少の頃から音楽教育を受け、
神童と言われました。
3歳でチェンバロを弾き始め、5歳で作曲を始め、
父とともにウィーン、パリ、ロンドン、イタリア各地へ
演奏旅行に行きました。
6歳でシェーンブルン宮殿で御前演奏したモーツァルトは
床で滑って転んでしまい、その時に手をさしのべた
7歳の皇女マリア(後のマリー・アントワネット)に
「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる」と言ったという
逸話があります。
モーツァルトは35歳で亡くなるまで800曲以上の作品を作りました。
その曲は交響曲 、オペラ、ピアノ協奏曲、室内楽曲、
ピアノソナタなど、様々な分野にわたります。
遺作は鎮魂曲(レクイエム)ですが、未完成のまま、
若くしてこの世を去りました。
数ある作品の中で、知名度が高い曲のひとつは
「トルコ行進曲」ではないでしょうか。
この曲は単独の曲ではなく、
ピアノソナタ第11番第3楽章が「トルコ行進曲」と言われています。
1783年頃にウィーンまたはザルツブルクで作曲されたそうですが、
定かではありません。
18世紀後半、ヨーロッパはオスマン帝国の侵攻を受けます。
人が動けば文化が伝わります。それは平時だけでないのですね。
オスマン帝国が行軍の時に連れて行ったメフテルと呼ばれる
軍楽隊の独特のリズムとメロディーに衝撃を受けた作曲家たちは
作品に取り入れました。モーツァルトもその一人です。
芸術はその時代の政治経済、外交に大きく影響を受けます。
音楽も例外ではありません。
「トルコ行進曲」は多くのピアニストが弾いていますが、
弾き方はさまざまです。
楽譜をどう読むか、曲に自分なりのイメージをどうのせるか、
によるのでしょうか。
有名な3名のピアニスト、それぞれの弾き方の違いを
味わっていただければと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=T4oBUxYbxA8
正統派の正確な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=B7ccYFyQMrE
感情を揺さぶる演奏ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=eTZ33EVK3Ug
アバンギャルドな演奏も魅力です。
これも一種のアレンジともいえるのではないでしょうか。
6年前からユニットを組んで音楽活動をしていますが、
クラシックのピアノ曲を中心にさまざまなジャンルの曲を
アレンジしています。
どうやってアレンジするの?とよく聞かれます。
曲によってその方法も違いますが、原曲の主題を
どのくらい入れるかは曲全体の構成をどうするかによります。
構成は原曲を基本にしますが、長さによっては
割愛することもあります。
拍子を変えたり、調を変えたり、
長調を短調にしたり、ジャズのリズムにしたり、
さまざまな方法で印象を変えていきますが、
その曲が作られた背景をふまえつつも
自分なりの解釈で表現したいシーンをイメージして
湧いてきたフレーズを組み立てていきます。
先日のライブでは既存の曲に加えて、
トルコ行進曲をアレンジして演奏しました。
来年の3枚目のCDには入れたい曲です。
完成したらぜひ聴いてくださいね。
~ピアノは 音楽は 夢を紡ぎ 人をつなぐ~
大人のピアノ教室 おとわ では、
「はじめてみたい、もう一度やりたい、あの曲が弾きたい」
それぞれの方にあわせたレッスンプランで
ピアノに取り組んでいただいています。